基礎講座

共生社会にむけて

クルド人向けの日本語教室がタッチポイントであること 外見的同胞意識の誤謬と共生の最前線

言語を教え合う機会は、あくまでクルド人コミュニティと日本人とが接点(タッチポイント)を持つためのものなのだ。ほうっておくと引かれてしまう社会の境界線を解消するための、もしかしたら儀礼的なものでもあるかもしれない。ボランティアとして参加する者達が、クルド人側の安全や安心を勝ち取ることは不可欠なことなのだ。理由は前述の通りだ。彼らの外見的同胞意識は防衛であるからだ。
共生社会にむけて

ドグマと化す政治思想と外交史観

ドグマは自己無矛盾な教義で正義と結びつく。現代日本には軍拡・文化的ナショナリズム・平等主義の三類型があり、日米・日中・東南アジア認識も各立場で大きく異なる。各々は国家観と国際秩序観の差から対立し、同一対象でも解釈が分岐する。
基礎講座

心理学の方法論 ワーキングメモリーの発見を振り返って

心理学は、「人の心と行動を科学的に研究する学問」である。だが、はじめから科学だったわけではない。もともとは「心とは何か」という問いを考える哲学の一分野として発展してきた。
基礎講座

人工知能と雇用――「人間とは何か」から考える技術と社会

「人工知能が人間の雇用を奪うのではないか」という議論は広く共有されていますが、この問題を考える際にまず直面するのは、人工知能そのものを具体的にイメージする難しさです。
基礎講座

離島社会と規制緩和――生月島から考える地域経済の変容

したがって、規制緩和や技術革新そのものを否定する必要はありませんが、それが地域社会の抱える問題を解決するかどうかは別の問題です。むしろ、産業の効率化とコミュニティの持続性をどのように両立させるのかという問いこそが、これからの政策において問われるべき課題だと言えるでしょう。
基礎講座

「同一労働同一賃金」と自己責任論――平成日本の構造を読み解く

2015年頃から「働き方改革」が政策課題として前面に押し出される中で、「同一労働同一賃金」という言葉が広く知られるようになりました。このスローガン自体は比較的新しいものに見えますが、その背景には、長年にわたって指摘され続けてきた正規雇用労働者と非正規雇用労働者の賃金格差の問題があります。
基礎講座

身体とは何か――「つくられる身体」という視点

私たちは「身体とは何か」と問われたとき、つい腕や脚、胴体、頭といった部分の集合として理解してしまいがちです。確かにそれは身体の一側面ではありますが、そのような見方だけでは決定的に重要な点を見落とすことになります。
基礎講座

集団は「有機体」なのかもしれない

もし集団から排除されることがあるとすれば、それは特定の個人を怒らせたというより、この「有機体」を怒らせてしまったのかもしれない。そう考えると、妙に納得できる部分がある。
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セクハラはなぜ起きるのか

――社会の中で性をどう考えるか。セクシャルハラスメントは明確に否定されるべき行為である。同時に、それがどのような社会構造や心理の中で生まれるのかを考えることも重要だろう。個人のモラルだけでなく、男性性や性別役割そのものを問い直すこと。そうした議論の中で初めて、セクハラという問題を社会として乗り越える道が見えてくるのかもしれない。
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「存在」と「救済」はつながるのか

 ――ハイデガーと仏教、そして西田幾多郎 哲学を読んでいると、まったく異なる思想が思いがけず重なって見える瞬間がある。 例えば西洋哲学の存在論と、大乗仏教の救済思想である。 一見すると無関係に思える両者だが、注意して読むと「人間とは何か」という問いを共有している。