政治と法は、国家が何を担うべきかという役割の線引きで交差します。国家類型として、外交・防衛・治安など最小限の条件整備を役割とする自由国家(夜警国家)と、国民生活に積極的に介入して社会福祉の維持・拡大や経済調整に努める社会国家(福祉国家)が整理されています。この対比は、具体的政策を評価する座標軸になります。
政治学の側では、福祉国家を正当化する自由主義的議論として、市場の失敗を批判し、市場の機能不全による不公正を政府が積極的に除去すべきだとする立場が示されています。これに対し、政府介入が拡大すれば財政負担や官僚制の肥大、民間活力の阻害といった反作用も起き得ます。したがって、国家が担う事業と民間が担う事業の境界は、理念の対立であると同時に、制度設計の問題でもあります。
この点を具体例で考えると、郵政民営化の論点がわかりやすい素材になります。民営化の懸念として、全国一律のユニバーサル・サービスが維持されるか、僻地や過疎地でサービスが確保できるか、民間企業との競争条件(イコール・フッティング)が保たれるか、といった点が挙げられています。つまり、民営化は効率や競争を期待する一方、公共性の確保という課題を常に背負うのです。

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