「法の支配」と「法治主義」――統治を縛るルールの意味

政治が権力による意思決定なら、法は権力の行使に枠を与える仕組みでもあります。ここでしばしば問題になるのが「法の支配」と「法治主義」の違いです。資料では、英米法系では「法の支配」や「適正手続」、違憲審査制などが自然法主義と関連して発展し、大陸法系では「法治主義」や「罪刑法定主義」などが法実証主義と関連して発展した、という整理が示されています。

ここから学べるのは、同じ「法による統治」でも、背後にある法観が異なるという点です。自然法主義は、正義と信ずるものを法として捉え、実定法の内容を道徳に照らして判断し、反する場合には原則として法的効力を否定する方向に傾くのに対し、法実証主義は所定の手続で制定された実定法を法とし、内容が道徳に反しても法的効力は否定されない(「悪法も法なり」)と考える、とされています。

基礎段階では、どちらが正しいかを決めるより、二つの立場がそれぞれ何を守ろうとしているのかを理解するのが有益です。正義を軸にすれば国家権力への抵抗根拠が強まりやすい一方、手続を軸にすれば予測可能性と制度の安定が高まりやすい。法の支配や法治主義は、単語の暗記ではなく、統治を支える理念の組み立てとして読み解くべきテーマです。

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