世論とメディア――「形成される世論」を前提に考える

現代政治を理解するには、世論とメディアの関係を避けて通れません。世論は流動的であり、誘導されうる側面があるとされ、メディアは世論を「キャッチする」だけでなく「形成」もする、と整理されています。さらにメディアには報道だけでなく、評論(解説)や教育が重要であり、報道の多寡や強弱を通じて国民的争点を提示する「議題設定機能」も指摘されています。

このような環境では、有権者の投票行動も変質します。無党派層や浮動票は、直前まで投票先を決めず、選挙ごとに投票先が変わり、短期的で私的利益に直結する争点を重視し、メディア報道の動向に影響を受けやすい、とされています。結果として政党も短期の「人気取り」に走りやすくなり、ポピュリズム(大衆迎合主義)が横行しやすい、という分析が示されています。

だからこそ、民主政治を支える条件として、政治教育やメディアリテラシーの重要性が強調されます。メディアが形成する世論を前提に、主権者が情報を鵜呑みにせず、争点を理解しようとする力を持つことは、代表制の質を左右します。メディアの自由を守ることと、メディアの影響を批判的に読み解くことは両立し得るし、むしろ両者がそろって初めて民主政治は安定する、という視点がこの回の結論になります。

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